ほとんどの昆虫の成虫には翅があり、その翅で空中を飛び、室内に侵入する。
大型の飛翔昆虫としてはガガンボ、イエバエ、クロバエなどがあり、小型の飛翔昆虫としてはユスリカ、クロバネキノコバエ、ノミバエなどが、微細な飛翔昆虫としてはアブラムシ、アザミウマ、寄生蜂などがある。これらの飛翔昆虫の多くは光に強く誘引されるが、臭いに誘引されるもの、風に乗って流れてくるものなどがある。
飛翔昆虫対策としては、虫の好む波長の光を遮断する(紫外線カットフィルム)、大型の開口部をすばやく閉める(高速シャッター、防虫カーテン)、建物の隙間を塞ぐ、室内を陽圧化する、室内に侵入した虫をすばやく捕獲する(捕虫器)、建物周りに虫を寄せ付けない(忌避剤)、などがある。室内に侵入している虫の状況を調査した上で、その虫にあった対策を立てる必要がある。
<飛翔昆虫対策>飛翔昆虫の種類と生態
ユスリカ科(Chironomidae)
写真:ユスリカ
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- 光に強く誘引される。
- 卵、幼虫、蛹は水中で生活。
- 成虫はほとんどえさを取らない。
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ショウジョウバエ科(Drosophilidae)
写真:ショウジョウバエ
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- 体長1.5~4mm
- 体は黄褐色、黒褐色、黄白色など。通常、複眼が鮮やかな赤色。
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- 幼虫は腐敗した果実や野菜など、植物質の腐敗物から発生する。
- 成虫は発酵臭に強く誘引される。
- 卵から成虫の羽化まで10~12日である(25℃)。
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- 飛翔昆虫防除のための
・発生源となりうる場所を探索する。
・ライトトラップ及びフェロモントラップを設置する。
・虫の同定を行う。
《 対策項目 》
現状の把握を行う。
- 飛翔昆虫防除のための
・厨房内等の残渣は清掃して取り除く。
・整理整頓し清潔を保つ。
・ドライ環境を保つ。
《 対策項目 》
餌を無くすことや清潔を保つことで営巣しにくい環境を作る。
- 飛翔昆虫防除のための
・扉を開けたままにしない。
・ゴミ箱の蓋はしっかり閉める。
・食料品の管理を徹底する。(原料・加工品)
《 対策項目 》
従業員の衛生レベルを向上させる。
- 飛翔昆虫防除のための
・ライトコントロール(UVカット)
・穴などの隙間を塞ぐ。
(扉・シャッター下の隙間をなくす)
・床及び排水系統の不良箇所を無くす。
《 対策項目 》
外部からの侵入を防止する。
- 飛翔昆虫防除のための
・薬剤の残留噴霧処理及び空間噴霧処理
・IGR剤(成長制御剤)処理
・忌避剤処理
《 対策項目 》
状況に応じて上記対策と併用する。